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ありふれた写真館@ブログ

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2001年 07月 11日

少年は数千年の時を越える。ただ一度愛されるために。

〔下の日記からの続きです〕

スピルバーグはかなりキューブリックを意識したと見えて、ビジュアル的には
気合い入ってたと思う。カメラ・ワークでも印象的なものが見受けられたし、
セットも頑張ってた。ド派手なルージュ・シティの描写も凝っていて好きだけど、
水没したマンハッタンや海底の遊園地(その後も含めて)など、案外キレイに
まとめられていたんじゃないかな。スピルバーグって『1941』っていう
映画でも遊園地の観覧車をごろごろ転がしてたんだよね〜、観覧車フェチかいな?

全体的に静かで控えめなトーンで描かれたこの作品中、唯一テンション高くて
ドキドキさせられたのがフレッシュ・フェアのエピソード。ここではロボットを
よく思わない人間たちによって、悪趣味な「ロボット破壊ショウ」みたいなのが
行われているんだよね。で、その捕らえられたロボットたちっていうのが
建設作業員っぽいのやら、調理師タイプ、清掃用、ガードマンっぽいの、
ベビーシッター、水商売っぽいの、使途不明の昆虫みたいなの‥と様々あって、
少し前に観たアニメ映画の『メトロポリス』にも似たようなシーンがあったなぁ…
なんて思っちゃいました。同じようなことを考えるんだよね〜、きっと。

ロボットが進化して、人間がやりたがらない仕事をやるようになって、それで
人類は幸せなのかっていう、そんな感じのこと? あとは製造物責任じゃないけどさ、
作るだけ作っておいて、後でいらなくなったり、自分たちに脅威が及び始めると
今度は徹底的に壊すっていう、そんな人間の業の深さっていうのかな?

ラストでは泣いている人も多かったみたい。泣かせるために用意されたような
ちょっとせこいラストだったけど、でもハーレイ君の頬を伝う一筋の涙に
涙腺がかなりゆるんで「ぐっ」ときたのも事実。おっととっと夏だぜ!(謎)

しかしキューブリックが撮ってたらこんな映画にはならなかっただろうな、
幸か不幸かってことはともかくとしても。そのへんちょっと興味深いんですけど。

by caps2_kana604 | 2001-07-11 21:40 | テレビ・映画・CM


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